奥村資産管理事務所の金融経済ニュースレター

今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その4(2017.06.22)

2017年06月22日


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それでは、今回も引き続き前回の続きから始めたいと思います。

ミレニアル世代が今後の鍵となるとお話ししました。

約2ヶ月ほど前にこちらでお伝えしましたが、アメリカのミレニアル世代は9,200万人おり、団塊の世代であるベビーブーム世代の7,700万人よりも人口の層が厚く、人口動態が先細っていく日本と比較すると今後新たに消費支出を増やしていく人口の増加が見込め、企業利益が伸びて今後も強い経済成長が見られることだと思います。

https://www.okumura-assetm.net/magazine/投資/20170420/
足元の大きな(?)トレンドを少しご紹介します(2017.4.20)

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(データ参考:<日本>厚生労働省人口動態統計 <アメリカ>Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

そして上の図のデータを前回までここに載せていた株価と人口動態を連動させたグラフに挿入すると以下のようになりました。

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

1つ目の日本のグラフを見ていくと、やはりこのまま人口動態は先細っていくことが目に見えており、社会的に余程大きな変革が行われない限りは、高齢化社会のもと財政を悪化させながら経済も先細っていくことになるでしょう。。。

2つ目のアメリカのグラフには、わかりやすいように『ベビーブーマー』『ジェネレーションX』『ミレニアル』に区切っています。

ご覧になって頂くとお分かりになりますが、長期的に見た人口動態の上昇トレンドは2040年頃まで続いています。こうして見ていると、2000年頃からの10年間は例外的に新たに34歳を迎える人口数が例外的に少なくなっているのが分かりますね。

でもだからと言って、学生ローンの借金漬けのミレニアル世代が幾ら多くても現時点で『負け組世代(多くの投資家からそう言われています)』と呼ばれている彼らにそんなに経済的なインパクトをもたらすことが出来るのですか?という疑問もあるかと思います。

実際に、ミレニアル世代の一番年上(現在34〜35歳)が大学に入学した頃に911テロがあり、イラク戦争へ突入し、そしてリーマンショックがあったりと、あまり社会的にも経済的にもそれほど恵まれてこなかった世代だと言えます。

ですが、調査会社によるとアメリカのミレニアル世代はこれまでのどの世代よりも楽観的であると言っており、彼らの70%が親世代よりも良い生活が遅れ、また50%がこれから先のアメリカは歴史上最高の時を迎えると信じています。つまり、彼らの多くが将来に対し強い自信を持っているということが言えます。

http://www.bentley.edu/impact/articles/nowuknow-unbridled-optimism-millennials
NowUKnow: The Unbridled Optimism of Millennials

彼らは統計的に現在年間消費高は1.3兆ドルと言われていますが、2025年には彼らの総所得が8.3兆ドルに達する見込みがあると言われており、その頃には消費高も現在よりも何倍も増えている可能性があります。更に彼らは親世代であるベビーブーム世代から約40兆ドルを相続する予定であるので、旺盛な消費が今後見られるのはほぼ確実だと言えます。

http://www.businesswire.com/news/home/20160426005104/en/Rising-Urbanization-Demand-Millennials-Boost-Global-Cakes
Rising Urbanization and Demand from Millennials to Boost Global Cakes and Pastries Market During 2016-2020, says Technavio

http://gi.guggenheiminvestments.com/GuggenheimInvestments/media/pdf/The-Rise-of-the-Millennials-Sales-Idea.pdf
The Rise of the Millennials – Generation Next

また面白いことに、彼らの親世代であるベビーブーマーも、彼らが34歳に差し掛かった頃の1982年9月6日発行のTIMEsマガジンにはカバー特集に『Bull Market(強気相場)に突入したのか!?』とあり、そこには「またダウ平均株価が過去最高を破った!そしてまた破った!もはやマーケットの狂気がそうしたと言うしかない。これは今後長期的に上昇するサインなのか?それともこれから大きなクラッシュが来る予兆なのか!?まだ経済基盤が回復していないのにこの株高現象は意味不明なことであり、ウォール・ストリートの連中がおかしなマネーゲームをしているとした言いようがない」と記載されており、まさに今の状況と同じだなと思えて面白いです。

↓ちなみにこちらが当時のTIMEsマガジンの表紙です

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(出典:http://time.com/vault/year/1982/

上に載せているこれまでのダウ平均株価の動きを見ていくと、ベビーブーマーが出費を大きく伸ばし始める34歳に差し掛かった1982年から出費を減らし始める54歳の2000年までに、なんとダウ平均株価は770ドルから11,750ドル(約15倍!)まで、TIMEsマガジン編集部の懸念を吹っ飛ばすような形で大きく上昇しました。

そんなベビーブーマーにとっての1982年に当たる年がミレニアル世代では昨年の2016年だったのですが、昨年からダウ平均株価は同じく上昇していますね。これは偶然でしょうか?今後の株価の動向も注視したいです。

そしてこのミレニアル世代による大波はアメリカに限った話ではありません。世界中でそれは発生しており、各国あらゆるメディアで『ミレニアルの波に乗り遅れるな!』と言わんばかりの情報が飛び交っています。

https://in.finance.yahoo.com/news/world-largest-disruptive-force-could-060735040.html
The Disruptive Millennial Generation Could Become India’s Trump Card

http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Reshaping-the-workspace
Reshaping the workspace

https://www.slideshare.net/agalorda/2-types-of-millenials/4-WORLD_POPULATION_BY_GENERATIONMillennials_are
WORLD POPULATION BY GENERATION Millennials

また今は50年前とは違い、世界中がネットに繋がった時代です。つまり世界各国でミレニアル世代に受けるビジネスが出た途端にあっという間に世界中に伝播するような環境です。

投資という観点からは、そんな彼らの趣向に合ったビジネスを展開している銘柄は大きな利益をもたらすポテンシャルがあると言えます。

長期的に大きな経済トレンドを作っていくことになるのは間違い無いでしょう。


カテゴリー:投資, 経済動向


今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その3(2017.06.15)

2017年06月15日


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それでは、今回も前回までの続きから始めたいと思います。

前回までは、米国のベビーブーマーと日本の団塊の世代が生涯において消費支出を増加し始める34歳になったタイミングと株価が連動しているかもしれないということについて触れました。

もう一度以下に貼りたいと思います。

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

日本は1991年(団塊の世代:42〜44歳頃)にバブルが崩壊してそれ以降下降トレンドが続いていますが、米国では1982年からITバブル崩壊の頃まで長期的に上昇しっぱなしです。ちなみに、このITバブルが崩壊した

(日本のバブル崩壊については人口動態云々だけでは語れない部分があまりにも多いのでそれらは省き、一旦ここでは人口動態という観点からでのみ日米両国で話を進めたいと思います。)

さて、日本では団塊の世代に続く大きなベビーブームが無かったために、そのあとは人口動態は下落する一方です。それに比べ米国では1946年〜1964年にベビーブームが発生しそれが人口の厚みを構成し1982年から約18年もの株価の上昇が見られたと考えられます(仮定)。

では、2000年以降も含めた日米の株価と人口動態のグラフを以下に載せたいと思います。

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

2つ目のグラフの日本から見ていきましょう。2000年からのIT不況に差し掛かった時は、1966年の『丙午(この年に生まれた女性は気性が激しく夫の寿命を縮めるという迷信)』による出生数の激減が34歳に差し掛かった年であります。

また『実感なき好景気』と言われたいざなみ景気(2002年〜2008年)も、2005年から団塊ジュニア(1971年〜1974年生まれ)が34歳に差し掛かった期間と被っていますね。

2012年からは人口動態は減少傾向にあるのに株価はやたらと上昇しているのは、アベノミクス効果だと思います。

そして1つ目の米国のグラフですが、2000年初頭のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックも人口動態と連動しているように見え、面白いです。ITバブルが崩壊した2001年は、米国のベビーブーマーの一番年上の世代の人が55歳に差し掛かった時でした。このシリーズ第一回でお伝えした以下の図のように、55歳からは消費支出額がガクッと下がり始めます。

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(データ参照:Haver Analytics, Bureau of Labor Statistics, Morgan Stanley Wealth Management)

そして2008年のリーマンショックの時には同じく米ベビーブーマーの一番年上の世代の人が62歳に差し掛かった年であり、一般的にこの年齢を境に米国では退職し始め、老後生活が始まると言われており、消費支出もかなり減少してしまいます。

凄い偶然の一致のように思えますね。

ITバブル崩壊とリーマンショックの両方とも原因についてはかなり多くの専門家が諸々諸説を繰り広げていますが、あまり人口動態との関連性を説いたものも見当たりません。

リーマンショックについてベビーブーマーの退職という側面からお伝えしましたが、34歳に到達する人口数でも説明が出来そうです。米国経済は1970年代に入ってから低迷期に入っており、1973年からのオイルショックもあり出生率の減少しました。それが2000年代半ば〜後半にかけての34歳に差し掛かる人口数の激減を招き、リーマンショックが起きたタイミングと重なっています。これも偶然の一致と言えそうですね。

リーマンショックが起こった後はどうなっているのでしょうか?

グラフを見ていけば、その後からは人口動態の増加傾向に伴い株価も上昇していっていますね。

「米連邦準備理事会によるQEが株価を吊り上げている」という意見もありますが(確かにそういう面もあると私も思いますが)、こういった人口動態による恩恵もあったのだとも考えられますね。

ちなみにですがこの時に34歳に差し掛かっている人口グループは『ジェネレーションX(1965年〜1981年生まれ)』と呼ばれています。そしてそれに続く人口グループは『ミレニアル世代(1982年〜2000年生まれ)』と呼ばれています。米国ではミレニアル世代はいつまでも大学の学生ローンの借金に苦しめられ、職が安定せず、いつまでも親と同居しないとやっていけない弱い経済力の象徴のように言われています。

ですが今後の米国経済と株価を人口動態という面から占う際にかなり重要になってくるのがこのミレニアル世代なのです。

次回はこのミレニアル世代に焦点を当てて話を進めていきたいと思います。

今週もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資


今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その2(2017.06.08)

2017年06月08日


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それでは、今回は前回の続きから始めたいと思います。

前回までは、年齢によって消費支出額に変動があり、統計的に35歳〜54歳頃にピークが来るという話をしました。

では今回は日米の団塊の世代(アメリカではベビーブーマーと呼ばれている)における株価への影響という側面から過去どういう動きがあったのか?を見ていきたいと思います。

2年ほど前ですが、ある記事を見つけました。以下のものになります。

Demographic Trends and the Price of Financial Assets: the Tail Winds are Dying Down
http://www.caixabankresearch.com/documents/10180/1811604/34-35%2BDossiers%2B2%2BING.pdf

ここで書かれていることは大体は株式分析者は株価が変動していく理由として
・中央銀行の動向
・企業の動向
・地政学的イベントの有無
とった短期的なものばかりに目がいきがちになっていると主張しており、より長期的に重要な影響を及ぼす人口動態についてはほとんど無視されている状況について語られています。

その中でも引っかかった文章が2ページ目最初の段落の以下の文章です。

In the last three decades developed stock markets have returned notably higher yields than in the preceding decades, coinciding with the baby boomers passing through the peak of equity accumulation, when they were aged between 35 and 55. 25 Various empirical studies3 have found a high correlation between age distribution and stock prices, most of these referring to the US stock market.

これはおおよその意味で『人口動態と株価の動きというものは高い相関が見られ、アメリカのベビーブーマー世代の場合は彼らが35歳〜55歳の時にそれが見られた』ということになります。

そしてその様子を示すグラフが以下になります。

スクリーンショット 2017-06-07 18.37.39
(出典:CaixaBank Research)

この中の青のラインがP/E ratioと書かれていますが、株価だと思っていただき、またグレーのラインが人口動態トレンドだと思っていただければ大丈夫です。

ちょうどアメリカのベビーブーマー世代(1946年〜1964年生まれ)が35歳を迎え始めた頃の1980年代前半頃から株価が上昇し、55歳を迎え始める2000年頃から下落し始めたのがお分かりになるかと思います。

最初にこれを見た時は、まさかそんなに簡単に長期的な株価のトレンドなんて分かるのか?と思いました。

そこで、ベビーブーマー世代が消費を増やして株価に影響を与え始めると言われている34歳に差し掛かった時を表した人口動態と株価の動きの関連性を実際の数値で見てみたかったのでそれを知るためのグラフを作成したところ、以下の通りとなりました。

スクリーンショット 2017-06-07 19.27.25
(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

そうすると、ベビーブーマー世代の中でも1946年生まれの方々が34歳になった1980年頃から少しずつ株価は反転し始め、またそれ以降続々とベビーブーマー世代が34歳に差し掛かるに連れ株価も上昇していく様子がお分かりになるかと思います。

ちなみに日本においても、日本経済に及ぼす団塊の世代(1947年〜1949年)の年齢の移りかわりと株価の推移の関連性を示す同様のグラフを作成しました。それが以下のものになります。

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

確かに、1947年〜1949年生まれの団塊の世代が34歳に差し掛かった頃の1980年代の前半頃から株価がかなり上昇しています。

ただ日本の場合その3年間のみの出生数が非常に多く、それ以降は下降トレンドを辿っているので、株価もそれに伴い下落の一途を辿っているようにも見えますね。。(もちろん他にも様々な原因があるかと思いますが)

こうして人口動態と株価の動きを一緒に見ていくと少し偶然とは言えない相関がありそうにも思えますね。では、2000年以降はどうたったのでしょうか?またこの先は人口動態からどのような予測が立てられるのか?今回は少し長くなってしまったので、それらについては次回に続けたいと思います。

今週もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資


今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その1(2017.06.01)

2017年06月01日


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今回はかなり突拍子も無いことを書きたいと思っています。
それはズバリ、『株価の今後は人口動態で分かる』です。

ただ『完全に分かる』ではなく、
『ある程度予測が付く』レベルです。

例えば、20代前半頃の社会人なりたての頃と、
社会から少しずつ評価され始めた頃の30代を
思い出して見てください。

恐らく社会人になりたての20代前半の頃の方が
30代の頃よりも出費を切り詰めて生活されていた
と思いますし、現在40代以降の方は30代の頃よりも
もっと経済的に余裕が出来ているかと思います。

勿論例外もありますが、労働人口の年齢ごとでの
『出費金額』には統計的に以下のようなデータが取れるはずです。
(以下のデータは米国のものになります。恐らく日本も
似たようなものになるかと思います。)

スクリーンショット 2017-05-31 08.25.49

(データ参照:Haver Analytics, Bureau of Labor Statistics, Morgan Stanley Wealth Management)

このグラフは年齢層ごとの年間出費額を種類ごとに分けた
ものになりますが、食費、家賃、教育、娯楽等が
色ごとに分けて表示されています。

見ていくと、35〜44歳のグループと45〜54歳の
グループがほぼ同額で統計的に最も出費額の
大きい年齢となっていますね。

これは35歳頃からマイホームを購入したり、
車を購入したり、子供の養育費が発生したりと
何かと出費しないといけない事柄が増えるからです。

そして55歳以降はローンを払い終えたり、
成人した子供が巣立ったり、本格的に
老後資金作りに励んだり、またそもそも
若い頃よりも出かけたいという気持ちや
物欲自体が減るという場合もあり、
その結果として出費額が減っていく様子が
お分かりになるかと思います。

こうしたことから、気になることとしては
今後どれだけの人口が生涯で最もお金を
使う35歳〜54歳のグループに突入していくか?
ということになりますね。

それによりどれだけの経済的インパクトが生じ、
結果として株価に反映されるかが決まって
来ると言えるからです。

実際にそれを分かりやすく示す例として、
日米における団塊の世代を見ていきたい
と思いますが、、、

長くなりそうなので、続きは
また次回以降にしたいと思います。

今週もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資, 経済動向


そろそろGOLD価格の長期トレンドに変化が起こりそう(2017.05.25)

2017年05月25日


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今回はGOLD価格の長期トレンドが近々起こりそうだということをお伝えしたいと思います。

早速ですが、以下がここ約10年におけるGOLD価格の推移です。

スクリーンショット 2017-05-25 16.58.54
(出典:goldprice.org)

グラフに勝手に赤線と青線を付けたのですが、
・赤線=高値と高値を結んだライン=レジスタンスライン
・青線=安値と安値を結んだライン=サポートライン
と呼ばれており、それぞれのライン以上に相場が動きそうだという時点で投資家達の心理的に反発するんじゃ無いかという思惑から相場に抵抗圧力が働きます。

そしてもう一度上のGOLD価格の推移を見て頂きたいのですが、赤線と青線が来年くらいに交わろうとしているのが分かりますね。

もしそうなった場合、それまでのトレンドが崩れたことを意味し、『新たなトレンドが始まった!』と投資家が判断し出します。

ですので近々GOLD価格に大きな変動が起こりそうだということが言えるでは無いかと思います。

では赤線と青線が交わった段階で上下どちらの方向にトレンドがシフトしていくのでしょうか?

交わる頃のタイミングで価格がどちらの方向に動いているかで決まる部分が大きいと思うのですが(価格が上昇している場合、そのままレジスタンスラインを越えて上昇し続け、それが新たなトレンドとなる)、未来のことは誰にも分かりませんので、『こうなる』と言ったような確証は出来ません。

ですが今起きている事実を一つ一つ観察すると、何か分かるかもしれません。

まずは60日移動平均線と200日移動平均線の推移です。

スクリーンショット 2017-05-24 13.58.43
(出典:kitco.com)

青線が60日移動平均線で緑線が200日移動平均線ですが、一般的に短期線が長期線を下から上へ突き上げると相場が上昇基調へ転換した信号だと捉えられています。

そして上のグラフではまさにそれが起ころうとしているので、理論通りに行けば今後GOLD価格は上昇トレンドに乗っていくことが考えられます。

また直近のトレンドを見ていきましょう。

スクリーンショット 2017-05-24 12.04.19
(出典:goldprice.org)

これは直近約1年のGOLD価格トレンドを示したグラフですが、これは昨年年末から上昇トレンドに転じています。

これには以前記載したヨーロッパの政治リスクによるものも含まれますが、インフレリスクに備えて、、という要因もGOLDへの需要を高めていると思えます。

マーケットで見る世界情勢(2017.5.11)
https://www.okumura-assetm.net/magazine/投資/20170511/

ヨーロッパではフランスの大統領選挙によりEU解体という政治リスクは免れましたがイギリスは昨年のブレグジットにより既にEU脱退は既定路線であり、最近EUとの交渉が始まりました。

その結果マーケットはどうなったのでしょうか?

なんと消費者物価指数が直近4年間で最大の上げ幅があったと英国民統計局が発表しています。

Inflation jumps to its highest level since 2013 as Brexit continues to bite
http://www.businessinsider.com/brexit-aftermath-uk-inflation-data-for-april-2017-5

これはイギリスがEU脱退の交渉に入ったということで、投資家が英ポンドに売りを浴びせていることによるインフレが起きていることを伝えています。

その結果、インフレヘッジ資産のGOLDに需要が集まってきているということなのです。

また、世界最大の経済大国アメリカでもインフレの方向に進みそうな状況になってきています。

昨年の米大統領選挙が終わった11月からはトランプ政権が提唱する経済政策によるかなりドル高に進みましたが、今年に入ってからはトランプ大統領が何度もドルは過大評価されていると言っていることからドル安方向への圧力が高まりそうです。

4月にも”I think our dollar is getting too strong, and partially that’s my fault because people have confidence in me.”と言っており、まだまだ同様の発言は続きそうです。

TRUMP: The dollar is ‘getting too strong’ partly because people have confidence in me
http://www.businessinsider.com/trump-dollar-getting-too-strong-2017-4

つまり、アメリカでもインフレヘッジとしてのGOLD買いが進む環境が整ってきていると判断できそうです。

ですので、冒頭のレジスタンスラインとサポートラインが交わる『新たな相場』が始まるタイミングでは、大きく上昇トレンドに乗る要因は結構挙げられるのでひょっとするとそうなる可能性も高いかもしれません。

ですが再三申し上げますが相場というものは誰も将来どうなるのかということは確実なことは言えないので、もしこの記事からGOLDを購入しようと判断されたとしても、自己責任でお願いします。

以上になります。
今回もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:ニュース, 投資, 経済動向


安全資産が安全資産で無くなる?(2017.05.18)

2017年05月18日


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投資の世界では『債券は安全だ』と思われていると思います。

ですがここ最近いくつかの債券は株式よりもリスクが高くなってきてると言えそうです。

ズバリここでお伝えしたいリスク資産になるかも?と言える金融商品は『米国債と紐付けされているETF』です。え?米国債ってかなり安全なものじゃないの?と多くの方がお思いかもしれませんが、なぜそう言えるのかについての背景をこれから解説したいと思います。

それでは、1982年まで遡ります。当時の米国債金利はなんと約14%以上もありました(!)。

そしてそれから35年もかけて金利が下落し続け現在2%前半で推移しています。以下の図をご覧ください。

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これはアメリカの10年物国債利率の推移を表した物です。1981〜1982年頃を頂点に大きな山が出来ているのが分かりますね。まさにその頃から現在まで、金利はずっと下がり続けていたので債券価格は上昇し続けたということです(債券市場というものは金利が上昇すると価格が下がり、反対に金利が下落すると価格が上昇するものです)。

米国債はリスクフリーで年率換算で9%以上ものリターンがあった超優秀な金融商品でした。そしてこれからもずっとこれが続くと思っている方も多いのだろうと思います。

ですが、ここからが大事なのですが、アメリカの金融界では「そろそろこの長期間続いた金利下落トレンドも上昇に転じるのでは?」と囁かれていることです。

なぜか?

理由はどうやらアメリカの中央銀行に当たる連邦準備理事会(FRB)がリーマンショック後から採っていた金融政策からの正常化ということで利上げを進めていることが挙げられます。

実際に『正常化』が始まった2013年には10年物米国債金利が1.38%から2.98%まで上昇しましたし、昨年からも7月の1.36%から今年5月現在の2.22%まで1年以内で1%近くも上昇しており、FRBの動き次第でアップダウンが激しい状況がここ最近見られます。

ですので今後もFRBが利上げを続けていくとなれば更なる金利上昇が考えられますし、あのグリーンスパン元連銀議長も「いずれ金利は5%にまで上がる」とも言っています。

Greenspan Predicts Bond Yields Rising As High As 5%
http://www.zerohedge.com/news/2016-11-07/greenspan-predicts-treasury-yields-rising-high-5

それにトランプ政権がインフラ投資に1兆ドルかけると言っていますし、またアメリカのベビーブーマー以上の人口数があるミレニアル世代(1982年〜2000年生まれ:9,200万人)が統計的に消費額が上昇し始まる34歳に昨年から差し掛かり経済が上向きに転じるとも予想されているので(人口動態についてはこちらのゴールドマンサックスのページに詳細が記載されています→http://www.goldmansachs.com/our-thinking/pages/millennials/)、そう言った理由からも1982年から長期トレンドとして続いていた金利の下落トレンドが上昇に転じさせていくのでは?とも思いますしそう言われています。

しかしこれが難しいところなのですが、『いつ本格的な上昇に転じるのか?』ということを予測するのは正直分かりません。それは今年かもしれませんし来年かもしれませんし、もっと先かもしれません。

ただそういったことが起こり得る環境が整いつつあるということを知ってもらえればと思います。

では、気になるのが実際に金利上昇に転じた際にどれくらいの損失が可能性としてあるのか?ということですが、金融機関によってバラバラですがアメリカ最大の資産運用会社ブラックロックでは金利が1%上昇した場合にどれだけの損失が生じるのかについて以下のような予測を立てています。

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(出典:BlackRock.com)

また別のアメリカの資産運用メディアでは以下のような予測が紹介されています。

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(出典:Banyanhill.com)

ここでは1%金利が上昇した場合、
・1〜3年物米国債ETFの価格:1.9%DOWN
・7~10年物米国債ETFの価格:7.6%DOWN
・20年以上米国債ETFの価格:17.5% DOWN

と、僅か1%上昇しただけでかなりの損失が見込まれる予測が紹介されています。

ですので、もし米国債に紐付けされた金融商品を保有されている場合、今のうちにポートフォリオの再構築を検討されてみた方が良いと思います。

今回は以上になります。
お読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資


マーケットで見る世界情勢(2017.5.11)

2017年05月11日


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先日のフランス大統領選挙ではマクロン氏が極右政党のルペン氏を破り勝利しましたね。

また世論調査を覆しブレグジットやトランプ旋風のようなことが起こるのか?と思っていたのですが、そうはなりませんでした。

これでひとまず「マーケットにとって最も危ないイベント」だと言われていたフランス大統領選挙がマーケット的には無事に済んだということになります。

前回のこの記事では、北朝鮮情勢をマーケットデータで読み解くというテーマでご紹介しましたが、今回のフランス大統領選挙はどうだったのか?を見ていきたいと思います。

まずは恐怖指数から見ていきます。

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(参照:StockBrain)

青線がいわゆる恐怖指数で緑線が欧州恐怖指数となっています。

欧州恐怖指数の方はフランス大統領選挙第1回投票前の4月18日と21日に 25.59と25.09と、厳重注意の24を超えています。

※ちなみに見方としては
・安全圏:~16
・やや注意:16~24
・厳重注意:24~
となっています。

ですが第1回投票が終わりマクロン氏とルペン氏の一騎打ちとなってからはマクロン氏の大統領就任の可能性が高まり、かなり落ち着きを見せていますね。

しかし、一歩間違えるとマーケットに大きなショックを与える要因にはなっていたであろうことはこの恐怖指数から見ても判断できます。

では安全資産であるゴールドの取引はどうだったのでしょうか?

World Gold Councilを見ていきましょう。ここには2017年第1四半期のゴールド需要がどうたったのかが5月4日に発表されました。

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Gold Demand Trends Q1 2017
http://www.gold.org/supply-and-demand/gold-demand-trends/back-issues/gold-demand-trends-q1-2017

このグラフはゴールドETFが世界各地でどれだけ購入されたのか?を示していますが、今年の第1四半期で飛び抜けて多いのがドイツとイギリスであることが分かります。

ゴールド投資はリスク対策と強くリンクしているので如何にドイツとイギリスの投資家が将来に対して危機意識が高かったのかが伺えます。ドイツの投資家にとっては特にフランスで極右政党の勝利→EU解体の危機→ギリシャデフォルト→ドイツ銀行が大ピンチ、、、というシナリオが現実にあり得たので、このような動きになったのだと思えます。(ドイツはギリシャにとって最大の債権者で未払いのローンが960億ドルもある)

じゃあなぜイギリスの投資家もゴールドを大量に購入したのか?

恐らく昨年のブレグジットでEUからの脱退がどれだけ高くつくのか分かって来たからでしょう。EUはまだブレグジットに関する真剣な交渉が始まる前にイギリスに対し1,100億ドルを支払えと要求している(この金額の高さはほとんどのイギリス人がブレグジット投票の前には思いもしなかったらしい、、)ので、それだけイギリス人投資家の間で危機意識が高まっているからこのような動きが出ているのだと思えます。

今はフランスの大統領がマクロン氏に決まったということでマーケットがかなりホッとした動きを見せていますが、投資銀行出身で公職未経験の同氏が今のような政治的不透明感くすぶる時期にしっかりと大統領職が務まるのか?イタリアやギリシャが今後どうなるのか?といった不安定要素はまだまだ残っているので、まだ中長期的に見て安心したと言うべきではないでしょう。


カテゴリー:ニュース, 世界情勢, 投資, 経済動向


マーケットで見る世界情勢(2017.4.27)

2017年04月27日


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北朝鮮が過去最大の攻撃演習を行い、そして韓国で迎撃ミサイル配備を開始したとの報道がありましたが、まだまだきな臭い情勢は続いていますね。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042600302&g=prk
過去最大の攻撃演習=金正恩氏立ち会い・北朝鮮-韓国で迎撃ミサイル配備開始

ではこの状況に対して世界の投資家達はどう見ているのでしょうか?その様子が一目で分かるのが株価です。

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(出典:Bloomberg)

この図は韓国総合株価指数ですが、見てみるとここ昨年年末から上昇し続けているのが理解できますね。つまり投資家達はそれほど今騒がれている北朝鮮問題については、特に問題なく解決に向かうと予測していると判断していると見えます。

逆に言うとこの指標がガクッと下落に転じた時は、本当に注意した方が良い時なのだとも判断できます。

では他の指標では現在の状況をどう判断しているのでしょうか?
現時点におけるリスク度合いを見る上で重視されているのが恐怖(VIX)指数です。

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(出典:yahoo finance)

これは数値が高いほど投資家が先行きに不透明感を持っていることを表しています。

見方としては
・安全圏:〜16
・やや注意:16〜24
・厳重注意:24〜
となっています。

そして上の図ではやはり北朝鮮とアメリカとの間にかなりの緊張があった4月中ばごろに16を少し超えるところまで上昇し、『やや注意』の範囲まで伸びており、そして今は再び安全圏まで戻っていることが分かります。

ちなみにリーマンショックが起きた時には約60まで上昇したので、如何に人々の間でリスク感が高まっていたかが理解できます。そして現在進行中の北朝鮮問題やヨーロッパの根幹を揺るがしかねないフランスの選挙がある中でも同指数は安全圏内にとどまっています。

ですので恐怖指数から見てもメディア等で報道されてるほど危険な状況ではないとマーケットが判断していると見ることができますし、またこうして別の視点から世界情勢を見る判断材料としても面白いと思っています。


カテゴリー:世界情勢


経済ニュースPICK UP(2017.4.24)

2017年04月24日


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1. 仏大統領選、マクロン氏とルペン氏が決選投票へ
http://jp.reuters.com/article/france-electiohn-idJPKBN17P0VK
フランス大統領選挙は23日に、第一回の投票が行われ、中道系独立候補のマクロン前経済相と極右政党のルペン氏が来月行なわれる決選投票へと駒を進めることとなりました。得票率23.7%のマクロン氏が首位、21.9%の僅差でルペン氏が2位となる結果となりました。

決選投票の世論調査ではすべての調査でマクロン氏が圧勝するとの結果が出ているとのことです。よほどのことがない限りマクロン氏が大統領となるでしょう。ただ、問題は彼らが大統領となった後です。マクロン氏の支持政党である「前進」の議席数はなんと0。ルペン氏の支持政党「国民戦線」も2議席しかありません。彼らの政党が6月の総選挙で定員577の過半数を占めることは難しいでしょう。ということは、マクロン氏が勝ったとしても、思い通りの政治が出来ずフランスの行方はより不透明なものとなるかもしれません。

何にせよ、6月のフランス国民議会選挙が本当の鍵を握ることになりそうです。

2. 北朝鮮は25日に軍創設85周年を迎え、再び米朝の緊張が高まる
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042300293&g=prk
挑発を繰り返す北朝鮮ですが、いまだ着地点が見えてきません。米中のトップ同士では落とし所は既に決まっているかもしれません。先週も書いたように北朝鮮から戦争をふっかけることはしないでしょう。問題はこれから数日北朝鮮がどのような行動をとるかです。核実験や長距離弾道ミサイルの発射などをした時、米国はどのようなリアクションをするのか。こういう時は見えない部分で結構動いているものです。米国や北朝鮮の動きを見るよりかは中国やロシアの動きを見るほうが真実は見えてくるかもしれませんね。

為替市場の反応を毎日みているとそれほど深刻視していないように見えます。本日もドル円相場は1円ほど円安となりました。今後とも注視が必要な状況には変わりありませんが、4月を乗り切れば落ち着いてくるかもしれません。

3. 丸紅がGE「Predix」を発電所に導入、海外展開も視野に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/041901198/
IoT関連のニュースを先週に引き続き紹介致します。丸紅が運営している火力発電所へGeneral Electric社の工業用IoTを導入し、運用コスト削減を目指すようです。この「Predix」というものは何かといいますと、工業用IoTにおけるWindowsOSのようなものです。つまり工業用機械の基盤内にこのOSを仕込み、機械の運転状況をモニタリングし効率的に燃費良く動かすことを目指すのです。使い勝手はWindowsではなくAppleのiOSに近いもののようです。iOSのようにアプリの開発もでき、昨年から開発環境が公開されこれから使い勝手が益々良くなると期待できます。

運用コスト削減の効果は大きく、日々経営に頭を悩ませている経営者はGEの「Predix」導入を検討することは当然のことです。私たちの生活に触れるものだけでなく、工業の世界でもIoTは爆発的に広まっていきます。ハイテクな時代はすぐそこに来ていますね。


カテゴリー:ニュース


足元の大きな(?)トレンドを少しご紹介します(2017.4.20)

2017年04月20日


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今密かにアメリカでは30代前半の女性による出生率が1964年以降で最高になっている模様です。

https://www.cdc.gov/nchs/data/nvsr/nvsr66/nvsr66_01.pdf
National Vital Statistics Reports

でもこの高齢出産が進むことは日本でも起きていることですし、先進国の晩婚化が言われているなか特に驚くべきことでも無いただのスルーされるようなニュースのように思えます。

ですが少し掘り下げると見えてくるものもあります。

それは出産している女性達の人口の厚みです。

冒頭の『30代前半の女性』という人口層はいわゆるミレニアル世代(1980〜2000年生まれ)に属します。

そして以下の図は日本とアメリカの年ごとの出生数の推移ですが、ミレニアル世代の人口の厚みは一目瞭然ですね。青く塗りつぶされているエリアがミレニアル世代を表しています。(激しく先細りになっている日本の人口動態を見ていると将来の日本経済大丈夫なのかなと思えますね。。)

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(データ参考:<日本>厚生労働省人口動態統計 <アメリカ>Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

この図をご覧になって頂ければお分かりと思いますが、日本では年ごとに出生数が減少傾向にありますがアメリカでは減っておらずむしろ1980年ごろから増加傾向だということです。

そして何より特筆すべきはアメリカのミレニアル世代は9,200万人おり、なんと団塊の世代であるベビーブーム世代(1946年〜1964年)の7,700万人よりも人口が多いということです。

http://www.goldmansachs.com/our-thinking/pages/millennials/
Goldman Sachs:Millennials Coming of Age

ミレニアル世代の一番年上の人々は今おおよそ30代半ばなので、冒頭の出生率が上昇している女性と被りますね。つまりこれからこのアメリカ史上最大の人口層がいよいよ本格的に子育てに入っていくということになります。

そうなったらどうなるのでしょうか?

本格的にミレニアル世代による住宅購入が進んでいくことになるでしょう。

それを示すものとしては2016年にいくら家が購入されたのか?ということですが、全米不動産協会によると545万戸販売されており、この数値は2006年以降最高とのことです。つまりもの凄い需要があるということですね。

https://www.nar.realtor/news-releases/2017/01/existing-home-sales-slide-in-december-2016-sales-best-since-2006
Existing-Home Sales Slide in December; 2016 Sales Best Since 2006

では供給は足りているのか?ということですが、あまり需要ほど伸びがあるという感じではなさそうです。以下の図は住宅がどれだけ市場に供給されているかを示していますが、リーマンショック後の落ち込みで底についてからそれほど持ち直していません。

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(参照:Federal Reserve Economic Data)

つまり基礎的なマクロ経済学的に考えれば、需要は上昇してるけど供給は限られている状況である、しかも今後ミレニアル世代が続々と子育て期に突入して家を購入するとなると想定すれば、需要は増すばかりです。そうなると考えられるのが価格の上昇ですね。

既にその兆候が感じられるものが以下のチャートになります。

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(参照:StockCharts.com)

チャート内の赤いラインが住宅建設関連株ETFの値動きの伸び具合を示しており、青いラインがS&P500です。ここ1年ほどのパフォーマンスの差が如何にあるかが一目で分かります。

この状況に抜け目ない投資家は何をしているのでしょうか?

そこで参考にしたいのが投資家の一人が世界一と謳われるウォーレン・バフェットの動きです。

彼の会社バークシャー・ハサウェイが保有している銘柄の持ち株比率ランキングを見てみると、以下のようになります。
1. USG(比率:29.7%)
2. クラフト・ハインツ(比率:26.69%)
3. ダビータ(比率:19.27%)
4. アメリカンエクスプレス(比率:16.8%)
5. フィリップス66(14.4%)

<参考>
Berkshire Hathaway Inc. 2016 Annual Report
http://www.berkshirehathaway.com/2016ar/2016ar.pdf

トップがUSGになっています。この会社はまさに『The・住宅関連株』と呼べるようなもので、しかも去年2016年6月末時点の保有率26.7%から年末時点の29.7%まで3%ほど伸ばしています。

これはこれからミレニアル世代が子育て期に入り年収もそこそこ上昇し始める時期に差し掛かったからバフェット氏はこのような動きを見せたと言えるのかもしれませんね。

彼は毎年一回送っている『投資家への手紙』にこう書いています。

『アメリカにおけるビジネスやイノベーションはまさに金のガチョウと呼べるもので、これからももっと大きな卵をたくさん産み続けてくれることでしょう。社会保障制度の公約はしっかりと履行されるでしょうし、これからもより良いものになると思います。そして、この国の子供たちは両親よりも遥かに豊かな生活を送ることができるようになるでしょう』

この最後にある『この国の子供たち』というのはミレニアル世代やそれよりも若い人達を指しているのだと思います。これからのアメリカ経済を動かす厚みのある人口動態からして見てもそう判断できそうな気もしますね。

大きなトレンドが迫ってきているように思えます。


カテゴリー:投資