奥村資産管理事務所の金融経済ニュースレター

今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その2(2017.06.08)

2017年06月08日


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それでは、今回は前回の続きから始めたいと思います。

前回までは、年齢によって消費支出額に変動があり、統計的に35歳〜54歳頃にピークが来るという話をしました。

では今回は日米の団塊の世代(アメリカではベビーブーマーと呼ばれている)における株価への影響という側面から過去どういう動きがあったのか?を見ていきたいと思います。

2年ほど前ですが、ある記事を見つけました。以下のものになります。

Demographic Trends and the Price of Financial Assets: the Tail Winds are Dying Down
http://www.caixabankresearch.com/documents/10180/1811604/34-35%2BDossiers%2B2%2BING.pdf

ここで書かれていることは大体は株式分析者は株価が変動していく理由として
・中央銀行の動向
・企業の動向
・地政学的イベントの有無
とった短期的なものばかりに目がいきがちになっていると主張しており、より長期的に重要な影響を及ぼす人口動態についてはほとんど無視されている状況について語られています。

その中でも引っかかった文章が2ページ目最初の段落の以下の文章です。

In the last three decades developed stock markets have returned notably higher yields than in the preceding decades, coinciding with the baby boomers passing through the peak of equity accumulation, when they were aged between 35 and 55. 25 Various empirical studies3 have found a high correlation between age distribution and stock prices, most of these referring to the US stock market.

これはおおよその意味で『人口動態と株価の動きというものは高い相関が見られ、アメリカのベビーブーマー世代の場合は彼らが35歳〜55歳の時にそれが見られた』ということになります。

そしてその様子を示すグラフが以下になります。

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(出典:CaixaBank Research)

この中の青のラインがP/E ratioと書かれていますが、株価だと思っていただき、またグレーのラインが人口動態トレンドだと思っていただければ大丈夫です。

ちょうどアメリカのベビーブーマー世代(1946年〜1964年生まれ)が35歳を迎え始めた頃の1980年代前半頃から株価が上昇し、55歳を迎え始める2000年頃から下落し始めたのがお分かりになるかと思います。

最初にこれを見た時は、まさかそんなに簡単に長期的な株価のトレンドなんて分かるのか?と思いました。

そこで、ベビーブーマー世代が消費を増やして株価に影響を与え始めると言われている34歳に差し掛かった時を表した人口動態と株価の動きの関連性を実際の数値で見てみたかったのでそれを知るためのグラフを作成したところ、以下の通りとなりました。

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

そうすると、ベビーブーマー世代の中でも1946年生まれの方々が34歳になった1980年頃から少しずつ株価は反転し始め、またそれ以降続々とベビーブーマー世代が34歳に差し掛かるに連れ株価も上昇していく様子がお分かりになるかと思います。

ちなみに日本においても、日本経済に及ぼす団塊の世代(1947年〜1949年)の年齢の移りかわりと株価の推移の関連性を示す同様のグラフを作成しました。それが以下のものになります。

スクリーンショット 2017-06-07 19.27.49
(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

確かに、1947年〜1949年生まれの団塊の世代が34歳に差し掛かった頃の1980年代の前半頃から株価がかなり上昇しています。

ただ日本の場合その3年間のみの出生数が非常に多く、それ以降は下降トレンドを辿っているので、株価もそれに伴い下落の一途を辿っているようにも見えますね。。(もちろん他にも様々な原因があるかと思いますが)

こうして人口動態と株価の動きを一緒に見ていくと少し偶然とは言えない相関がありそうにも思えますね。では、2000年以降はどうたったのでしょうか?またこの先は人口動態からどのような予測が立てられるのか?今回は少し長くなってしまったので、それらについては次回に続けたいと思います。

今週もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資