奥村資産管理事務所の金融経済ニュースレター

今後の株価は◯◯◯◯でわかる?その3(2017.06.15)

2017年06月15日


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それでは、今回も前回までの続きから始めたいと思います。

前回までは、米国のベビーブーマーと日本の団塊の世代が生涯において消費支出を増加し始める34歳になったタイミングと株価が連動しているかもしれないということについて触れました。

もう一度以下に貼りたいと思います。

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

日本は1991年(団塊の世代:42〜44歳頃)にバブルが崩壊してそれ以降下降トレンドが続いていますが、米国では1982年からITバブル崩壊の頃まで長期的に上昇しっぱなしです。ちなみに、このITバブルが崩壊した

(日本のバブル崩壊については人口動態云々だけでは語れない部分があまりにも多いのでそれらは省き、一旦ここでは人口動態という観点からでのみ日米両国で話を進めたいと思います。)

さて、日本では団塊の世代に続く大きなベビーブームが無かったために、そのあとは人口動態は下落する一方です。それに比べ米国では1946年〜1964年にベビーブームが発生しそれが人口の厚みを構成し1982年から約18年もの株価の上昇が見られたと考えられます(仮定)。

では、2000年以降も含めた日米の株価と人口動態のグラフを以下に載せたいと思います。

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(データ参照:TRADING ECONOMICS, Department of Health and Human Services, National Center for Health Statistics)

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(データ参照:Nikkei Inc., 厚生労働省)

2つ目のグラフの日本から見ていきましょう。2000年からのIT不況に差し掛かった時は、1966年の『丙午(この年に生まれた女性は気性が激しく夫の寿命を縮めるという迷信)』による出生数の激減が34歳に差し掛かった年であります。

また『実感なき好景気』と言われたいざなみ景気(2002年〜2008年)も、2005年から団塊ジュニア(1971年〜1974年生まれ)が34歳に差し掛かった期間と被っていますね。

2012年からは人口動態は減少傾向にあるのに株価はやたらと上昇しているのは、アベノミクス効果だと思います。

そして1つ目の米国のグラフですが、2000年初頭のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックも人口動態と連動しているように見え、面白いです。ITバブルが崩壊した2001年は、米国のベビーブーマーの一番年上の世代の人が55歳に差し掛かった時でした。このシリーズ第一回でお伝えした以下の図のように、55歳からは消費支出額がガクッと下がり始めます。

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(データ参照:Haver Analytics, Bureau of Labor Statistics, Morgan Stanley Wealth Management)

そして2008年のリーマンショックの時には同じく米ベビーブーマーの一番年上の世代の人が62歳に差し掛かった年であり、一般的にこの年齢を境に米国では退職し始め、老後生活が始まると言われており、消費支出もかなり減少してしまいます。

凄い偶然の一致のように思えますね。

ITバブル崩壊とリーマンショックの両方とも原因についてはかなり多くの専門家が諸々諸説を繰り広げていますが、あまり人口動態との関連性を説いたものも見当たりません。

リーマンショックについてベビーブーマーの退職という側面からお伝えしましたが、34歳に到達する人口数でも説明が出来そうです。米国経済は1970年代に入ってから低迷期に入っており、1973年からのオイルショックもあり出生率の減少しました。それが2000年代半ば〜後半にかけての34歳に差し掛かる人口数の激減を招き、リーマンショックが起きたタイミングと重なっています。これも偶然の一致と言えそうですね。

リーマンショックが起こった後はどうなっているのでしょうか?

グラフを見ていけば、その後からは人口動態の増加傾向に伴い株価も上昇していっていますね。

「米連邦準備理事会によるQEが株価を吊り上げている」という意見もありますが(確かにそういう面もあると私も思いますが)、こういった人口動態による恩恵もあったのだとも考えられますね。

ちなみにですがこの時に34歳に差し掛かっている人口グループは『ジェネレーションX(1965年〜1981年生まれ)』と呼ばれています。そしてそれに続く人口グループは『ミレニアル世代(1982年〜2000年生まれ)』と呼ばれています。米国ではミレニアル世代はいつまでも大学の学生ローンの借金に苦しめられ、職が安定せず、いつまでも親と同居しないとやっていけない弱い経済力の象徴のように言われています。

ですが今後の米国経済と株価を人口動態という面から占う際にかなり重要になってくるのがこのミレニアル世代なのです。

次回はこのミレニアル世代に焦点を当てて話を進めていきたいと思います。

今週もお読み頂きありがとうございました。


カテゴリー:投資